副業人材インタビュー

関わりを重ねる中で実感した地域で得る経験の力

プロフィール

氏名
藤橋 誠(ふじはし まこと)さん
職業
大学教員

成長のために外の現場に触れ続ける

埼玉県で映像制作を教える大学教員として働きながら、個人の会社で映画やCM制作にも取り組んでいます。これまでも外部の案件にはできる限り関わってきましたが、教員という立場になると自分から営業に出ることが難しくなり、結果として外の現場に触れる機会がどうしても限られていました。与えられた仕事だけに向き合う状態が続くと、経験の幅が広がりにくいと感じることがあり、時間を確保できたタイミングには、いわば他流試合のように外の仕事を探して取り組むようにしていました。これまで縁のなかった地域の仕事にも関わってみたいと考えていたこともあり、そうした環境に身を置くことで自分の経験の幅が広がるのではないかという思いが、今回の応募につながりました。

副業と本業が互いを支える関わり方

地方の映画、映像制作に関わる中で、地元の方だけで制作を進めるとどうしても主観が強くなり、外の人に伝わりにくくなる場面があると感じていました。私のような「よそもの」が入ることで、地域の空気やストーリーを俯瞰して整理することができ、結果として外へ届けやすい形になることがあります。そうした役割を担えるのは、自分にとって大きなやりがいです。 今回の福島県の案件では、教育委員会の皆さまが撮影や編集だけでなく、取材の場面でも安心して任せていただけたことが印象に残っています。やり取りが丁寧で素早く、修正の指示も的確でとても進めやすい環境でした。 副業の現場で得た学びや気づきは、大学での授業にも活かしています。現場で実際にどんな工夫をしたのか、どんな失敗があったのかといった「今まさに起きていること」を伝えることで、学生の理解が一気に深まります。10年前の話では届かない部分が、最新の現場の話だと実感を持って受け止めてもらえるからです。副業が本業の教育を豊かにし、本業の経験が副業の質を高めてくれるという良い循環を実感しています。

現場に触れて見えた福島の姿

福島県には、距離は近くても関わるきっかけのない場所という印象を持っていました。実際に福島県内の学校を訪れ撮影をする中で、子どもたちの教育に向き合う姿勢が非常に丁寧で、地域を大切に思う気持ちが自然に共有されていることを感じました。 特に、県立ふたば未来学園では地域の状況を踏まえた取り組みがとても濃く、その環境の力強さが印象的でした。他の公立学校でも、地元を大切にする教育が浸透していることが伝わってきました。 福島はこれまで縁のない地域でしたが、実際に仕事で関わることで、地域が違っても教育や子どもたちの未来に向ける気持ちは同じなのだと気づきました。今後は直接訪問するだけでなく、遠隔での映像制作アドバイスや編集のフィードバックなど、オンラインでできる形でも関わりを広げていきたいと感じています。

取り組んだプロジェクト

https://pro-fukushima.com/project_04/16238/